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Red Wing xNigel Cabourn MUNSON B-5 CHUKKA

本日は、Nigel Cabournのブーツのご紹介です。



今回5年ぶりにアメリカの老舗ワークブーツメーカー「レッド・ウィング」と「ナイジェル・ケーボン」とのコラボレーションブーツが入荷してきました。

2012年のDr.マンソン・ブーツに続く、レッド・ウィングとナイジェル・ケーボンのコラボレーション第2弾は、第一次世界大戦時に英国軍のコンバットブーツとして造られていたB-5ブーツに着想を得て、それに両ブランドのテイストを加えた「マンソンB-5チャッカ」になります。

まず、このコラボレーションを語る上で外せないのが、MUNSON LAST(マンソンラスト)と呼ばれるシューラスト(木型)。
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1912年、マンソン博士がワシントンの陸軍学校の軍隊衛生学の教授であったとき、歩兵部隊用ブーツのために開発したシューラストが “マンソンラスト” です。

彼は 4年の歳月をかけて、約 2000人もの兵士の足を調べ、靴のフィッティングについて調査をし、このマンソンラストを完成させました。

その後、ミリタリーブーツのラストとして制式採用され続け、現在でも一部のミリタリーブーツに使用されています。

マンソンラストの最大の特徴は、足の指先のならびに沿うようにつくられた、つま先部の形状にあります。

つま先部の中心から親指にかけて大きく膨らむようにつくられたこのラストは、足先を強く締め付けることがありません。

外反母趾やハンマートゥといった、靴が足に正しくフィットしていないことが原因となる病気が起こりにくい設計となっています。

また、つま先のデッドスペースを無くすことで、ソールや中底、アッパーレザー等の浪費を防ぎ、靴を軽量化することも考慮してデザインされています。

このように、マンソンラストは見た目の美しさよりも兵士達の足を守ることと、戦場で求められる機能性を追求してつくられたラストです。

第一次、第二次の両世界大戦時期にミリタリーブーツを製造していた RED WING は、このマンソンラストをワークブーツにも採用していました。

ワークブーツとミリタリーブーツはどちらも耐久性、機能性に加えて、足を保護することを重視してつくられています。

その為、ミリタリーブーツ用のマンソンラストは、ワーカー達にも広く受け入れられたのです。

1928年の RED WING のカタログに掲載されているワークブーツは、その半数以上がマンソンラストでつくられていたそうです。






B-5ブーツをチャッカブーツに仕上げるにあたり、RED WING と NIGEL CABOURN は、このイギリス軍ブーツと同時代にアメリカ軍で使われていたミリタリーラストであるマンソンラストを用い、B-5ブーツ同様に先芯を使わない仕様とし、その時代にアメリカのワークブーツの主流であったつま先のスタイル、キャップトゥを採用。

マンソンラストは、本来つま先の高さがあるタイプのラストですが、先芯を使わずに仕上げたことで、そのボリューム感は控えめで、また履きこむと少しずつつま先が低くなっていきます。

レザーには、かつての英国軍のB-5ブーツに使われたオイルを含ませたスウェードレザーに似たラフアウトレザーであるホーソーン「ミュールスキナー」レザーを使用しており、レッド・ウィング社の自社タンナーでなめし、仕上げられております。

靴のフィニッシュ工程でブラックのワックスバーを用いてバフがけを行うことで、ユーズド感とも言える独特の陰影をもたせています。


ソールには、レザーベースにグリップと耐久性が良いラバータップ(ソール前面のハーフラバー部分)をプリセットした、グロコード・メダリオン・ソール。

元々のグロコード・ソールは、1920~30年代にレッド・ウィング社が使用していた滑り止め用コード入りのラバー・ソール。

今回使われているレザーベースのグロコード・メダリオン・ソールのラバー部分のデザインは、当時のグロコード・ソールをモチーフにされています。

ウェルトには、スプリットリバース・ウェルトと呼ばれる、いわゆる立ちコバを使い、靴の全周をぐるりとソールに縫いつけるオールアラウンド・グッドイヤー製法とし、コバをステインで染めて仕上げてあります。

是非、店頭でご覧くださいませ。

【Red Wing xNigel Cabourn MUNSON B-5 CHUKKA ¥55,000+Tax】